学術論文の書き方 -LaTeXのTips-

LaTeXで論文を書いてる時, どうしても図が指定した場所に入ってくれなくて困ることがあります. ほとんどは,サイズが大き過ぎてはみ出してしまうために, 次のページにまわされ,いもヅル式に後まわしにされるというものです.

しかし,そもそも使っているスタイルファイルのポリシーによって, ページの中で図が占める割合や, 1ページに含むことができる図の最大数が,あらかじめ決められています. つまり,いくら小さい図でも,ページに入らないことがあります. 例えば,jarticleというスタイルファイルを使っている場合, そのスタイルを記述したファイル jarticle.cls には,

jarticle.cls
\setcounter{topnumber}{2}
\setcounter{bottomnumber}{1}
\setcounter{totalnumber}{3}
\setcounter{dbltopnumber}{2}
\renewcommand{\topfraction}{.7}
\renewcommand{\bottomfraction}{.3}
\renewcommand{\textfraction}{.2}
\renewcommand{\floatpagefraction}{.5}

などと定義されています. つまり,ページの上部に置ける図はふたつまで, 下部に置ける図はひとつまで,1ページに出力できる図はみっつまで, 文章が占める割合は 20%以上であること, などのように制限が加えられています.

つまり,思うように図を配置できない場合は, この制限に引っかかってる可能性が高いわけです. これは「見やすい」論文のポリシーなわけですが, 図を多用した論文を書く場合には困った制限になります. そこで, \documentstyle(LaTeX2eの場合は \documentclass) と \begin{document}の間に

パラメータの変更
\setcounter{topnumber}{100}
\setcounter{bottomnumber}{100}
\setcounter{totalnumber}{100}
\renewcommand{\textfraction}{0.0}
\renewcommand{\topfraction}{1.0}

とでも書いておけば,たいがいの図は入るようになるでしょう. これはあまりにも極端なパラメータ調整ですので, きちんと意味を理解して使って下さい.


キーワード: LaTeX,図,表,配置,位置,次のページに入る,改ページ includegraphics